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zaa-254♪暗殺の森古川薫 (著)　講談社　単行本 1981/11/16　初版

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討幕への蜂起もむなしく、天誅組は戦いに敗れた。リーダー・中山忠光は、長州藩を頼って亡命する。しかしその直後に、長州の立場は一変した。中山忠光の病死が伝わったのは、この頃である。巷間、それは長州藩による暗殺だとの噂が走った。昭和になって、地元の小新聞の社主・野見は、この真相究明に熱中するが……。長州藩が秘匿した歴史の暗部を、巧みにフィクション化した、歴史推理長編。幕末・長州の謎が現代によみがえる！

※古川薫、おそらくそんなに有名な作家ではない。司馬遼太郎や藤沢周平あたりとは、比較にならないかもしれない。
しかしながら、何度も直木賞にノミネートされている実力のある作家である。
派手さはないが、丁寧な文章を書かれるし、文体も構成もブレやほつれは見当たらない。
幕末に京都の公家、中山忠光が長州で亡くなる。毛利は病死とするが、実際は殺されたのではないか。史実を織り交ぜて、新聞社の社長が自ら真相を調べる。その展開はスリリングと言える。抑えた文章が逆に緊張感を与える。
下関には忠光を祀った中山神社がある。
小説を読んで面白かった人は現地を訪ねるのも一興である。
繰り返しになるが、読み応えのある作品としてお勧めする。

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